課題解決プログラムの背景

1. 高齢化と生活環境の問題
北大東村では、人口が約530人と非常に少なく、さらに高齢化が進んでいます。特に、独居高齢者が増加しており、日常生活の中で、自宅の清掃や庭の手入れといった基本的な作業が困難になっているケースが多く見られます。住環境の悪化は高齢者の健康リスクを高めるだけでなく、社会的な孤立感を強める原因ともなります。この課題に対し、ボランティアによる大掃除や庭の整備を行うことで、高齢者の生活環境を改善し、孤立を防ぎ、地域とのつながりを強化することを目指しています。

2. 伝統文化の衰退
もう一つの課題は、北大東村の伝統文化の衰退です。かつて村の年末行事として盛んだった「餅つき」の風習は、時代の変化と共に廃れつつあります。餅つきは、村の歴史や文化を象徴する重要なイベントでしたが、現在では次世代に伝えられず、地域の文化的アイデンティティの喪失が懸念されています。この問題に対し、ツアー参加者が餅つきを体験し、作った鏡餅を高齢者宅に届けることで、伝統文化の復活と継承を促進します。これにより、地域の誇りを再確認し、文化を次世代へと引き継ぐ役割を果たします。

このように、本ツアーは、高齢者支援と伝統文化の復活という二つの側面から、北大東村の課題を解決するために企画されたものです。ボランティア活動を通じて地域社会の一員としての役割を体感し、現地の人々との交流を深めることができる内容となっています。

課題解決プログラムの内容

1. 高齢者宅の清掃支援
課題：北大東村では、高齢化が進んでおり、特に独居高齢者が自宅の清掃や庭の手入れを行うのが難しくなっています。
　高齢者にとっては、普段手が届かない場所や重い作業が負担となり、住環境の維持が難しい状況です。

解決：ボランティアが訪問し、清掃や庭木の伐採などを行うことで、高齢者の生活環境を改善し、健やかな新年を迎えるサポートを行います。
　これにより、孤立を防ぎ、地域社会とのつながりも強化されます。

2. 伝統文化の復活（餅つき）
課題：北大東村では、かつて盛んだった餅つきの文化が廃れつつあり、地域の伝統が次世代に伝わらないという問題が起きています。

解決：餅つきを体験し、復活させることで地域の伝統文化を継承し、参加者や地域住民が一体となり、地域の誇りを再認識します。
　さらに、餅を鏡餅として高齢者宅に届けることで、文化と地域貢献を融合させた新しい形の交流を創出します。

これらの活動を通じて、地域の高齢化問題や伝統文化の衰退といった課題に対して具体的なサポートを行うことが、このツアーの課題解決プログラムの中心となります。

課題解決プログラムの案内人

一般社団法人北大東島振興機構　事務局長　葉棚清朗（はだな・せいろう）

今回の島まーるボランティアモニターツアーを通じ、沖縄県民の皆様にも島の暮らしを感じてもらい、
サスティナブルな環境問題について一緒に考えていければと思っています。

長年、お仕事で携わってきた大好きな北大東島に移住し、現在は、島の人々と共に観光や産業を結びつける役割に従事しています。